フッ化物を歯に作用させると、歯の表面から取り込まれ、歯の結晶(アパタイト)の一部になります。フッ化物を含んだ歯の結晶は、普通の歯の結晶よりも丈夫になり、むし歯菌の出す酸に対してより強くなり、むし歯になるのを防ぎます。
また、歯のエナメル質のまわりにフッ化物があると一度脱灰した部分の再石灰化を促進し、エナメル質の補修がしやすくなります。最近の研究では、この再石灰化促進力の方がむし歯予防効果としては大きいとされています。
1、母乳を中心に育てる
母乳の重要性と母乳を飲むことの重要性があります。特に歯科的な見地から言えば、実はおかあさんのおっぱいから母乳を飲むということはかむ訓練をしているのです。詳しいことはあとで述べるとして、哺乳瓶や人口乳首では訓練はなかなかできません。また筋肉や骨の発育などのためには大変、重要なことなのです。
2、離乳食がとても大切です
栄養バランスを考えるのはもちろんですが、味は薄めに、甘いものを与えすぎないようにしましょう。その後の好き嫌いや甘いものばかり好むということの悪習慣はこのときから形成されます。
3、乳歯を大切にする
乳歯は生えかわるからと安心してはいけません。特に乳歯の生えたての時期は咀嚼(かんで唾液と混ぜ、飲み込むまでの行為)の学習開始期でもあります。乳歯にも大切な役わりがあります。また乳歯から永久歯に生えかわるときは乳歯の根っこがだんだんとなくなっていき、それを目指して永久歯は生えてきます。健全な乳歯でなければ、健全で正しい歯ならびの永久歯にはなりにくいのです。
4、栄養バランスを考えた食事を
カルシウムやビタミンを自然から摂取するようにしましょう。またかみごたえのある食べ物を多くとるようにしましょう。
5、おやつは時間と質と量を考えて
いつしかおやつは甘いものというまったくの誤解が生じてきてしまいました。おやつは成長期における第4の食事で決して甘いもの=おやつではないのです。ですから先に述べたように、きちんと栄養バランスを考えてあげてください。また、だらだらと時間を決めずに食べることは、甘いものを一時的に食べることよりもっとよくないことです。時間を決め、出来れば食べたら磨くという習慣をつけましょう。
6、よくかむ習慣を身につける
よくかむことは歯を丈夫にし、あごの発達をうながします。また脳の発達をうながすとも言われています。よくかむということは健康な体づくりの第一歩なのです。
7、歯みがき習慣を身につける
まずはお父さん、お母さんが歯をみがくところを見せてあげてください。
きっと「わたしもみがく~」と興味を示してくれると思います。そしたら、歯ブラシをわたして、歯ブラシになれるようにします。ただし、危ないですから、歯ブラシをわたしたまま目を離さないでください。食事の後、おやつの後、できるだけ歯をみがく習慣をつけましょう。そして1日1回は大人が仕上げみがきをしてあげてください。決して子供だけではみがけていません。
むし歯が出来るのを防ぐには、
1、保育者の歯みがき(感染源の除去)
2、強い歯をつくる(栄養のバランス)
3、むし歯菌をへらす(歯みがき)
4、甘い食べ物をコントロールする(糖分の制限)
1、保育者の歯みがき
むし歯菌を生まれもって持っている子はいません。むし歯菌は生まれてから保育者より感染します。まずは保育者の方がご自分の口腔衛生に気を使う必要があります。
2、強い歯をつくる
栄養のバランスのとれた規則的な食事は、お子さんの健康で丈夫な身体をつくり、むし歯に対する抵抗力を高め、歯質のよい強い歯をつくります。
3、むし歯菌をへらす
歯の表面についたプラーク(歯垢)には1mgあたり1億個もの細菌がいます。このうちむし歯の原因になる細菌は糖分を栄養素にして酸を発生し、歯を溶かします。歯みがきによって、こうした細菌をできるだけ少なくします。
4、甘いもののコントロール
糖分はむし歯菌の栄養素です。甘いお菓子やジュースなど糖分の多いものをできるだけひかえるようにします。まただらだらと食べると一日中、お口の中が酸性になって、むし歯ができやすい状態になります。おやつは時間を決めて食べるようにします。
人のお口の中には多くの細菌が住んでいます。その中のミュータンス菌などのむし歯菌が、糖分を養分にしてネバネバした物質をつくり、その中でむし歯菌が増殖し、プラーク(歯垢)を作ります。
*プラークは食べかすのことではないのです。細菌のかたまりなのです。
飲食をすると、その直後からむし歯菌が糖分を分解して酸を作り出しプラークが酸性になります。この酸が歯を溶かすのです。これがむし歯です。
ですからプラークが長い間、歯にくっついているとむし歯になります。
アイ・メディカル発行「フッ化物でむし歯予防」より
正常な呼吸
酸素
二酸化炭素
※二酸化炭素を体に貯蔵する必要がある
生理学的には
鼻から呼吸することは
動脈血中の二酸化炭素と酸素濃度
二酸化炭素と酸素は血液中に一定の圧力で含まれています。
新鮮な動脈血では酸素は95mm水銀柱、二酸化炭素は50mm水銀柱ぐらいの圧力になっています。
これは、水銀柱血圧計のように水銀柱を、95mm、50mm上げられる圧力です。
二酸化炭素の圧力値が正常の場合には、血液が肺に送られると、炭酸飲料の栓を抜いたときのように二酸化炭素が血液中から放出されます。
何らかの原因で二酸化炭素の圧力が低くなった場合には二酸化炭素の放出が完全に出来ずに血液中の濃度が高くなり、頻繁に眠気を催すことがあり、血液のpHが異常になります。
二酸化炭素の役割、必要性
酸素がヘモグロビンとくっつく(オキシヘモグロビン)
口呼吸の人
図はインターネットより
レントゲン検診による放射能が人体に及ぼす影響について、まだまだ誤解されている部分が多いので、簡単にこのレントゲン検査について説明します。
歯のレントゲン撮影の放射能の量は、人間が丸1日、他の惑星からの宇宙線や放射性の粉塵等、自然環境の中で受ける放射能の総量にほぼ等しい位の量です。
また、生殖器官に及ぼす影響を気にかけている人も中にはいますが、生殖器官に害を及ぼすためには、1度に2000枚以上、レントゲンを撮らなければならないことが証明されています。
つまり、歯の診断のために、最新の装置を適切に使用したレントゲン撮影が人間の体に害を与えるという科学的根拠はどこにもないので、患者さんはレントゲン撮影を恐れる必要は全くないのです。
レントゲン検査は、炎症、過剰歯、囊胞(うみがたまること)、腫瘍、骨の病気、埋伏歯、異常な個所にできた虫歯などを発見するために行いますが、これらはほんの一部で、隠れた症状を的確に早期発見するためにはかりしれない役割を果たしているのです。レントゲンの安全性についてご理解いただけるよう、お願いいたします。
自然界から受ける放射線量と人工的に受ける放射線量の比較